大変長らくお待たせをいたしました。
第1回 インターネット文芸大賞の結果を発表いたします。
最優秀賞
「俺の戦争体験記」
筆名:かわべ・まこと
あらすじ
近未来の世界。ある日何気なくバーチャルシステムに入りインターネットに接続した主人公たけるは、自分がいきなり『ネット戦争』に徴兵されたと聞かされる。
しかも、ネット戦争の中で死ぬと現実でも死亡してしまう上、勝利しない限りネット空間から出られないのだという。
否応なく戦争にかり出されたたけるはネット世界の顔見知りのマサハル、カナ、タクヤ、ケイ、アスハ、ヒジリ、ミナト、マリカと共に、敵がモンスターの姿をしていたり、敵を倒したことで得るアイテムで装備品を強化出来たりと、まるでゲームのような戦争を戦うことになってしまう。
途中、仲間の死に動揺したりする事も起こるが、ゲーム時間の数年を戦った挙句たけるたちは戦争に勝利、現実世界に戻る事が出来た。
しかし、実はたけるたちは自国と某国との戦争ではなく、政府の采配により他国同士の戦争へ『傭兵』として貸し出されて戦っていたのだ。
そして現実に戻れた喜びもつかの間、たけるは再び否応なく別の他国同士の『ネット戦争』へ送られてしまうのだった。
でじたる書房、審査員、スタッフコメント。
作者は文章を書きなれているかといえば、そうではないと思います。
しかしそれを補ってあまりある、「ストーリー展開の面白さ」、この部分がずば抜けていました。
売れてしまった作家は、「トゲ」がなくなり、成功体験にとらわれ、平凡な作品が多くなってしまうような気がします。
この作品はハリウッドや、ゲーム、アニメの影響を受けていると思います。
これまで、こうった作品は、どちらかといえば文芸の世界ではマイナー、同人誌的な扱いが主流でした。
知識、権威の象徴であった「メディア」と、個人、怪しさ、の象徴であった「インターネット」、これらがカオス的に混ざりあい、世間的にもインターネットがメディアを凌駕しつつあります。
その流れは、文芸の世界にも当然波及し、権威の象徴であった、文豪と呼ばれる、硬く、知的な小説の勢い、魅力が薄れ、個人、怪しさ、の異臭を放つ小説に魅力を感じます。
これらが今後の小説界を背負って立ち、新しいジャパニーズカルチャーを代表する新しい時代を築くもの、と考えて今回の受賞作品を決定いたしました。
優秀賞
「君の声が聞こえる」
筆名 : 柚子葉
あらすじ
恋人の裕也は事故で死んでしまう。「いつまでも一緒にいよう。」と言っていたのに。恋人の死にさゆりは絶望の淵に立たされる。
何も出来ないでいたある日、両親から与えられたインターネットを通し、さゆり同様に事故で恋人を無くした女性、マリと出会う。仲良くなったマリから死んだ恋人と連絡をすることの出来る、天国のインターネットの存在を教えてもらう。さゆりは再び死んだはずの裕也と掲示板越しに連絡を取る。さゆりは、偽者の裕也だと疑いつつも、徐々に元気を取り戻す。
一通のメールがさゆりの元に届く。死んだ恋人と電話で話す事が出来るという、しかし、代償として30分の通話で1年の寿命を支払わなければならない。さゆりは、寿命を支払い死んだ恋人と会話すること選ぶ。電話の相手は、裕也である事を確信する。
そんな時、さゆりは裕也と同じ容姿をした男、拓也と出会う。拓也はさゆりに告白をする。しかし、裕也を忘れられないさゆりの心は揺れ動く。告白されたことを裕也に話すが、裕也は拓也と付き合うことを薦める。さゆりの求めている答えは違った。その事で、さゆりと裕也は喧嘩をする。そんな折、マリとその友人のゆりあに会い、二人の言葉によって、裕也への想いを貫く決心をする。
ある日、さゆりは意識を失い病院に運び込まれる。毎日の裕也との電話によって、刻一刻とさゆりの寿命は短くなっていた。体の自由も、しゃべることも出来なくなり、自暴自棄に陥るが、看護婦のふゆみやマリ、ゆりあによって支えられる。
再びさゆりは意識を失い、夢を見る。星空のベンチの元、裕也と出会う。裕也は電話も掲示板も使えなくなるかわりに、さゆりの命を救ってもらうように神様にお願いをしていた。そして、二人は永遠の愛を誓う。夢から覚めた時、さゆりの体は急速に良くなっていった。退院の日に、裕也からのプレゼントと思われる星のネックレスが送られてくる。星のネックレスと、友人に支えられ、裕也への愛を誓い生きていく。
でじたる書房、審査員、スタッフコメント
最優秀賞とともに非常に評価が高かった作品。
心あたたまるストーリーで、一般的にも受け入れられやすいと思います。
総評
非常にたくさんのご応募を頂き、どうもありがとうございました。
インターネット、携帯電話、というキーワードがあったためか、また、「インターネット文芸大賞」というネーミングからか、比較的若い方の応募が多く見られました。
「インターネット文芸大賞」という、マイナーとも思われる文芸大賞にこれだけたくさんのご応募を頂き、また、雑誌などの取材もいくつかあったことを考えますと、日本文芸は一つの大きな転換点を迎えているのではないでしょうか?
インターネットやブログが注目を集め、マスメディアの「マス」の力が急激に衰えを見せる現代を象徴する文芸大賞になったのではないかと思います。
●賞
◆最優秀賞 1タイトル
電子出版
作品を原作としたwebシネマを作成し各種ウェブサイトでの放映(※予定 制作に時間がかかります)
◆参加賞 1タイトル
電子出版
月の土地(権利書付:月の土地権利書/月の地図/月の憲法)1エーカー(約1200坪)をプレゼント(※本物です、夢があっていいですね(笑))
WEBシネマについては、現在スポンサーと調整をしておりますが、WEBシネマ化ができない場合は、場合は、賞金にて換えさせていただく場合がございます。
また、月の土地(※権利書付き)につきましては、後日発送ネーム入りで発送させていただきます。
たくさんのご応募どうもありがとうございました。
非常に良い作品が多く、かなり迷う日々が続きましたが、ようやく発表することが出来ました。
どうもありがとうございます。
惜しくも受賞からもれた作品も電子書籍として販売していただければ、また新たなチャンスが生まれるかもしれません。
是非チャレンジしてみてください!
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