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夢野の眼スペシャル〜いったいどこへ向かうのか〜【電子版】

著者 夢野みさを  ゆめのみさを

電子書籍:作品紹介
過去の話と言うなかれ。現状の政治・社会状況の発端は、1999年にあるのだ―。

1999年夏コミで発行した夢野みさを初の政治評論集。
メールマガジン「時代を読み切るオンライン週刊紙・夢野の眼」にて掲載した記事を中心に、1999年夏の国会の様子を踏まえての書き下ろしをしている。
【電子版】は、これに、同年12月、冬コミで発行した『SB企画室通信vol.4』収録の記事も組み入れて再編集したものとなる。

以降、電子版としても続刊予定。


■著者紹介
フリーライター。
主としてPC・ネット系のライティングを手がけているが、実は政治ジャンルなども興味・関心が深い。
主な執筆媒体はITmediaのほか、雑誌では『日経ネットナビ』『PCJapan』『Yahoo!InternetGuide』『ねっため』など。
さらに、『探偵・神津恭介の殺人推理』『赤かぶ検事奮戦記』DVDの解説文や、別冊宝島『僕たちの好きな明智小五郎』『幕末!最後の剣豪たち』などでも執筆をしている。

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抜粋

目次

  まえがき・いったいどこへむかうのか(一九九九年八月十一日)………………  三
  新ガイドライン関連法案問題(一九九九年四月二十六日)………………………  八
  アンケート結果から見る新ガイドライン(一九九九年五月二十三日)…………  十
  自自公がもたらすものたち(一九九九年五月二十六日)………………………… 二四
  組織犯罪法案の自自公採決はいかがなものか(一九九九年五月二十七日)…… 二八
  公明党よ、目を覚ませ!(一九九九年五月三十一日)…………………………… 三〇
  ミニ・アンケートから見る新ガイドライン(一九九九年五月三十一日)……… 三六
  「君が代」「日の丸」を利用する権力亡者たち(一九九九年六月二十日)…… 四三
  読者のご意見から(国旗・国歌法案)(一九九九年七月二十日)……………… 五〇
  政治雑感〜山花氏死去からサッチーまで(一九九九年七月二十一日)………… 五六
  いま、改めて「自自公連立に意義あり」(一九九九年七月二十七日)………… 六一
  国旗・国歌法案成立から自自公連立へ(一九九九年八月九日)………………… 六五
  小沢氏の正論に期待する(一九九九年八月九日)………………………………… 六七
  夢野の眼・ミレニアム(一九九九年十二月二十五日)…………………………… 七〇
  電子版・あとがき(二〇〇七年十月一日)………………………………………… 七五


まえがき・いったいどこへ向かうのか

 人は、なぜ歴史を学ぶのだろうか。ある歴史学の教授曰く「その意味合いは、学ぶ人によって変わるのでいちがいには言えない。歴史学は、いくら学んだとて、数学や自然科学などのように実戦で役立つ学問ではない。どちらかというと、文学などの分野に近い学問である」、と。……果たして本当にそうだろうか。

 歴史は繰り返す、と言う。「万物の霊長」などと誇らしげに称する人類は、唯一、学習することのできる(とされている)動物でありながらも、その実、もっとも学習していない。故に歴史を繰り返す。
 人類がいかに学習しないかを如実に物語るのは、政治の世界である。政界ほど、奇妙で、恐ろしい処はない。それは、世界各国どこを見ても同じだが、ことに日本の政界は端的だ。先の国会を見るまでもなく、『金(マネー)』に飼い慣らされた代議士の起こした事件の例を引くまでもなく、どうどう巡りを繰り返す。飽きずに、また飽きずに。

 日本は「天皇」を有する神国である、と定義されたのはいったいいつのことであろうか。西暦七一二年に編纂された「古事記」、七二〇年に編纂された「日本書紀」からだ、というのが定説である。もちろん、「記紀」は天皇を中心とした社会をつくるべく作為的に作成されたものであり、必ずしも史実ではない。実際、この二書が作成された頃にはすでに中国を経て仏教が輸入されており、特に聖徳太子が仏教に傾倒していたため、神国よりも仏教国としての位置付けをなされていた。以後日本は独自解釈である本地垂迹説を取入れ、仏教と神国の絶妙なブレンドを行い、それは明治新政府による神仏分離政策まで続けられた。この明治政府による神仏分離政策の中で「天皇」中心の「記紀」を基軸とした神国思想が確立された、というのが正解だろう。つまるところ結局は、それぞれの時代の権力者が、天皇という「象徴」を利用してきただけのことなのだが。

 神国思想を極端に進めた明治(大久保独裁)政府、そして後の軍部政権の様相を見ていると、最近もどこかで同じようなことが行われていることに我々は気付く。
歴史は繰り返すのである。たとえ、それが愚かなことであったとしても。そしてまた、悪たるものが必ず倒れることも歴史は語っている。故に現在、性懲りもなく繰り返されていることも、その結果は明白と言えよう。

     ※  ※  ※

 以上の文章は、一九九三年に、創価学会学生部・新宿第一部の機関紙として私が編纂した『トースト』の創刊号に掲載した、「いま、思っていること」という文章のプロローグである。実際にはこの後に、いろいろ参考にしている文献の列挙があるが、いまとなっては古い物なので割愛した。
 しかし、驚くべきはこの文章の中身である。すでに六年を経ているにもかかわらず、内実は全然変わっていない。いや、一部に関して言えば当時よりもひどい状況になっていると言えまいか。
 ガイドライン、国旗・国歌法、盗聴法、住民基本台帳法……「世紀末だから」「国際的な責任」などというそれらしい理由づけをしながらも、表には決して出さない真の理由が見え隠れする。
 国旗・国歌法が九日の参院本会議で可決・成立された。その日、盗聴法案も委員会の強行採決までは至ったが、この文章を書いている現在、本会議は開けないでいる。この本の発行日は会期末後なので何らかの形で結末を迎えているはずである。自自公による強行採決で決着を見るのか、それとも自由党が連立を離れ、自公連立になるのか、それとも内閣不信任が提出され、それに自由党なども加わって可決、解散・総選挙へと突入するのか。いろいろ考えられる。
 ……と書いた後に編集作業をしながら新聞社のサイトを見たところ、十日深夜、民主党が小渕内閣不信任案を提出したという記事がトップになっていた。ただ、残念ながらこれは十一日の衆院本会議で、自自公の反対多数で否決されることは必至だ。自由党は、まだ政権離脱を決めていないため、現状では反対に回ってしまうだろう。
 十日の朝日新聞社会面には、国旗・国歌法案が可決された瞬間の議員席の写真が掲載されていた。自民党議員だろうか、おそらく賛成を投じた議員は、拍手をしている。よく見られる光景だ。その中で、公明党の浜四津女史を始めとする人物は腕を組み、難しい表情をしているのがありありと見て取れた。これは何を意味しているのか。私は、信念を持ってこの議員たちには不信任案が出た折りに賛成に回ってほしいと思う。そうでなくては、政治家として死んだも同然と、言わざるをえないだろう。

 時間の都合があるのでこの本では編集時点での状況から、今後どうなっていくのか、考察してみたい。
 なお、本文は基本的にオンラインマガジン「夢野の眼」(以下、メルマガ)掲載のもの、及びWebサイト上の書き下ろしを再編集、構成した上で一部資料を付したものである。ただ、残念ながら編集時間がなかったことから、ほとんどの文章は初出のままになっている。なお、各タイトルの冒頭の日付は初出のもの。
 また、これらの文章はいずれも私個人の考えで書かれていることをご了承願いたい。

一九九九年八月十一日
夢野みさを 拝


【電子版・補足】
 本書は、一九九九年八月、夏コミ向けに刊行したコピー誌の電子版である。その意味でも、内容はいささか古いものとなっている。しかし、そこで書かれた現状が、いまの政治・社会状況を考える上でもいいのではないかと思い、あえてそのまま再録した。ただし、メルマガ原稿など語尾の不統一などを修正したことと、ページ数の関係から資料など一部を省いた事をご了承願いたい。(二〇〇七年十月一日)


書籍データ

  • ページ数:77p
  • 原作:書籍
  • 発行:でじたる書房
  • 発行日:2007/10/16
  • データ形式:でじブック形式
  • おすすめ度:★★★★★

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